題詠2008

071:メール

30の半ばを祝う真夜中のメールマガジン捨てないでおく

070:籍

焼けすぎて国籍不明になったからカタコト言葉だけで過ごすよ

069:呼吸

意識する すればするほどぎこちなく言うも言えずに呼吸過呼吸

068:踊

発表は終わりましたが沈黙が止まらないので踊ってみます

067:葱

午後四時の商店街をドドドドと走り抜けるぜサイドカーに葱

066:ひとりごと

繰り返す「バックシマス」のひとりごと工事現場の帰り道にて

065:眩

立ち眩み視野にうごめくとりどりの生命体は今日もはつらつ

064:可憐

「歯並びの悪い男が好きなのよ」年齢不詳 可憐☆の発言:

063:スリッパ

ベランダに脱ぎ捨てられたスリッパの体温ひらり奪う夕風

063:スリッパ(改)

ベランダに脱ぎ捨てられたスリッパの君の体温残らず奪う

062:浅

乱反射する光線をかわしつつ見とれています浅瀬のくるぶし

そのほかの@

出来ちゃったかもなのー、って聞いてるの?ちょっと!両目が@よ振りかぶって@を投げました飛んだ飛んだ大きい ファウルだ差し支えなければですがお手元の@の前の開示を 誰にも怒られたりしないので好き放題やってますが、 この@は、その最たるお題かもしれ…

061:@

新鮮な@を5個くらい串で刺してさ焼くとうまいよ

060:郎

はみ出てるその寝姿はつまりその 桃太郎とか金太郎よね

059:ごはん

前髪を揺らす湯気さえ好きでした炊き込みごはん おかわりはなし

056:悩

この微熱下がらないならねえ君の悩殺ポーズで死に至りたい

057:パジャマ

夕暮れのベランダ風に飛ばされた青い水玉パジャマ さよなら

058:帽

とっ風がぼくに帽子をくれました 2ねん3くみわたなべひとみ

055:乾燥

夕立に遭った二人が着衣など乾燥できる山小屋はどこ?

054:笛

足音に耳をそばだてケースから笛を取り出す右手の震え

052:考

二時間に5回も視線が合うなんて片想いとは考えにくい

053:キヨスク

キヨスクで埃にまみれ少しずつ放電してゆくアルカリ電池

051:熊

「ヤダ」なんてカマトトぶっているけれどもうすぐ熊のように襲うよ

050:確率

今日明日と笑って生きてく確率は午前午後とも10%

 1/2

やっとこ半分です。 なんというかまあ、「これって短歌なの?」っていう、根本的な疑問は常々あります。ていうか「大喜利に近いんじゃないの?」っていう内部告発もあります。でも、今はこういうのしか思いつかないのでどうしようもないんです。とりあえず10…

049:礼

流れ込む初夏の微風を受けながら敷金礼金払ったところ

048:凧

実験で君の二の腕 凧糸で縛りつけたらおなかすいたよ

047:ひまわり

ひまわりの種をたんまりほおばってプロポーズする「しわわせにしまふ」

046:設

「彼女とかいる?」 設問に自答して模擬訓練を欠かさない日々

045:楽譜

でたらめに鼻ずさんだメロディーを君がどんどん楽譜に起こす