題詠2008
30の半ばを祝う真夜中のメールマガジン捨てないでおく
焼けすぎて国籍不明になったからカタコト言葉だけで過ごすよ
意識する すればするほどぎこちなく言うも言えずに呼吸過呼吸
発表は終わりましたが沈黙が止まらないので踊ってみます
午後四時の商店街をドドドドと走り抜けるぜサイドカーに葱
繰り返す「バックシマス」のひとりごと工事現場の帰り道にて
立ち眩み視野にうごめくとりどりの生命体は今日もはつらつ
「歯並びの悪い男が好きなのよ」年齢不詳 可憐☆の発言:
ベランダに脱ぎ捨てられたスリッパの体温ひらり奪う夕風
ベランダに脱ぎ捨てられたスリッパの君の体温残らず奪う
乱反射する光線をかわしつつ見とれています浅瀬のくるぶし
出来ちゃったかもなのー、って聞いてるの?ちょっと!両目が@よ振りかぶって@を投げました飛んだ飛んだ大きい ファウルだ差し支えなければですがお手元の@の前の開示を 誰にも怒られたりしないので好き放題やってますが、 この@は、その最たるお題かもしれ…
新鮮な@を5個くらい串で刺してさ焼くとうまいよ
はみ出てるその寝姿はつまりその 桃太郎とか金太郎よね
前髪を揺らす湯気さえ好きでした炊き込みごはん おかわりはなし
この微熱下がらないならねえ君の悩殺ポーズで死に至りたい
夕暮れのベランダ風に飛ばされた青い水玉パジャマ さよなら
とっ風がぼくに帽子をくれました 2ねん3くみわたなべひとみ
夕立に遭った二人が着衣など乾燥できる山小屋はどこ?
足音に耳をそばだてケースから笛を取り出す右手の震え
二時間に5回も視線が合うなんて片想いとは考えにくい
キヨスクで埃にまみれ少しずつ放電してゆくアルカリ電池
「ヤダ」なんてカマトトぶっているけれどもうすぐ熊のように襲うよ
今日明日と笑って生きてく確率は午前午後とも10%
やっとこ半分です。 なんというかまあ、「これって短歌なの?」っていう、根本的な疑問は常々あります。ていうか「大喜利に近いんじゃないの?」っていう内部告発もあります。でも、今はこういうのしか思いつかないのでどうしようもないんです。とりあえず10…
流れ込む初夏の微風を受けながら敷金礼金払ったところ
実験で君の二の腕 凧糸で縛りつけたらおなかすいたよ
ひまわりの種をたんまりほおばってプロポーズする「しわわせにしまふ」
「彼女とかいる?」 設問に自答して模擬訓練を欠かさない日々
でたらめに鼻ずさんだメロディーを君がどんどん楽譜に起こす