010:賞

賞状を丸めて外を覗くふりして左目で捉える谷間

009:テーブル

いいんですいいんですええお構いなくテーブルの下が落ち着くんです

008:瞬

くしゃみするその時でさえ瞬きもせずに飛沫を散らす石破は

007:別

空中を飛んでる理由については別紙をご参照願います

006:券

欄干の上から小さな半券がくるくると降る つんざくブザー

005:叫

叫んだら届いたのかなさようならかなりや色の夢を見ていた

004:やがて

やがてじきいずれまもなく遠からずそのうちそろそろ後を追い追い

題詠blog2013に参加します(伊藤真也)

何年かぶりに参加させていただきます。 詠み方を忘れておりますので、なにとぞ保護者の視線でご覧いただければと思います。 よろしくお願いします。

001:新

どの穴に回せばいいか分からずに増えるばかりの新しいネジ

002:甘

屋上に消えてった汗と手に入れた片恋 酸いも甘いもカルピス

003:各

空中に浮かぶフォークとスパゲティ 別格でしたミートソース

ダ・ヴィンチ2012年1月号 穂村弘さん連載「短歌ください」内にて紹介していただきました。 虫メガネ越しに集めた太陽でカマボコ板にあの子の名を焼く なんか好きだったんですよね。虫メガネで焼くのが。プラスチック溶かしたり、ハナクソ焦がしたりとか。ム…

チューしたい手をつなぎたい顔が見たい声を聞きたい 生きていますか方面の 混み合っており お掛けなお 百万回目つぎはぎの声 少し前ですが、2首とも短歌くださいに投稿。 上のはテーマ「欲望」、下のは自由詠。 どちらも震災直後を振り返って詠んだもの。 採…

050:虹

できるだけ黒い言葉をささやこう 「ただしい虹の捕らえかた」より

049:袋

屋上に立って誰かの遺失物 笑い袋をせーので押せば

048:来世

下ネタが溢れ出てくる 前世の人こんな来世で申し訳ない

047:蒸

アリバイは蟻の群がり 二人してこぼしたサイダー蒸発しても

046:じゃんけん

昼寝から覚めれば頭上で子供らのあいこあいこのじゃんけんの花

045:群

シャッフルとランダムって何が違うの? 傘の花の群れを見おろす

043:剥

富士樹海くるくる剥いた包帯でターザンごっこのおてんばゾンビ

044:ペット

砂まみれ 間接キスで飲み干したペットボトルに夏、閉じ込める

042:学者

さっきから学者くん学者くんって呼ぶけどボクはハカセくんです

041:鉛

未発表の言葉があふれ出したくて 狂え!鉛筆サイコロは2

039:怠

「忘れてよ昨日のことは」冷えた床に勤怠カード散らばった朝

040:レンズ

きらめきを濃縮する凸レンズ 抜け殻を焼く音だけ聞こえる

038:空耳

花びらを連れ去る風にまぎらせてそっと空耳つぶやいてみる

037:奥

髪留めを脱がせばはらり匂い立つ 見なよ奥さんキューティクル異常

036:正義

色欲のプログラミングされてない ららら正義のロボットよ飛べ!

034:孫

日だまりのうらぶれ爺を捨ててほれ遊園地じゅう駆け出せよ、孫

035:金

落としたのは金の斧ですいやだからなんで候補に銀の斧出す?